リユース・リサイクル業界で意外と知られていない!? 買取、引取、資産管理の違いvol.1

2021.06.21

こんにちは、Re:転職運営事務局の藤野です。

本日は、リユース・リサイクル業界の意外と知られていない「買取」「引取」「資産管理」の違いについてご説明していきます。

リユース・リサイクル業界が急速に拡大してきているのは、これまでも皆さまにお伝えしてきたところです。

一昔前は質店、古書店、古着店、廃品回収業といった限られた方々が担っていた小さな市場が、今や上場企業が軒を連ね3兆円ともいわれる一大産業になっています。

本当に時代がすっかり変わってしまったという感覚があります。

皆さまがすでに働かれている、あるいは興味をお持ちいただいているリユース・リサイクル業界ですが、このビジネスに携わるうえで、基本的なこと、そしてとても重要なことなのですが、意外と理解が不十分なことがあります。

それが「買取」「引取」「資産管理」の違いです。

「買取」はお客様に対価を払って商品を手に入れることです。

一方、「引取」は対価なしで手に入れること、つまり「お客様から無料でいただくこと」です。

ここまでは直感的にお分かりかもしれません。

実際リサイクルショップに行くと「高価買取」「不要なものは引き取ります」といったコピーが必ずお客様に向かって訴求されています。

では「資産管理」とはなんでしょう。言葉自体は聞かれたことはあると思います。

ただリサイクルショップには「資産管理します!」というポスターはおそらくほぼ貼られてないと思います。

皆さまは「資産管理」という言葉、どこで目にされますか?

そう、銀行や証券会社の窓口、パンフレット、WEBの画面ですね。あるいは不動産会社の店頭や広告にも同じ言葉が使われていると思います。株式や債券、為替、あるいは賃貸マンション経営、不動産の売買等々、「お持ちの資産を管理しませんか?」こういった文脈ですね。

それがリユースやリサイクルとどう関係するのか?

実はリユース・リサイクル業界が今後ますます発展していく鍵となるのかこの「資産管理」という概念です。

最初に書いたように、質店、古書店、古着店、廃品回収業の時代も、現在のリユース・リサイクルも、「買取」「引取」というサービスは共通しています。

ブランド品、ファッションアイテム、貴金属・宝飾品、呉服、カメラ、楽器、書籍、ゲーム、PC/スマホ、家電、家具、金券、スポーツ用品、アウトドア用品、美術・工芸品、子供用品、酒類、コスメ、業務用什器などなど、リユース・リサイクルの対象は多岐にわたり、そのすべてに「買取」「引取」は発生します。

再販売が可能なモノ、つまりそのモノを中古でも欲しいと思う人が一定程度存在するモノ、これが買取できるモノ。

再販売が難しいモノ、つまりそのモノを欲しいと思っている人がほぼいないモノ、これは引取できるモノ。

そして、その中でも、場合によっては、元の価格よりも高くても、あるいはそれほど価格が低くなくても欲しいと思う人がいるもの、具体的には、宝飾品、美術・工芸品の中で、クオリティーが秀でているモノ、有名作家の作品など。

あるいはブランド品、カメラや趣味の道具類、酒類、書籍、家具、ファッションアイテム等の中でアンティークやヴィンテージと呼ばれるような希少性が認められるものなど。

これらは「価格がゼロにならない、むしろ時間がたつと価値が高まる可能性もある『資産』であり、資産管理の対象になるモノです。

「買取」や「引取」の対象ではなく、不動産や金融資産と同じ「管理」する対象なのです。

実際、家庭内でのリユース・リサイクルの対象となるモノのうち、「資産管理」の対象となるモノの点数は1%を切るといわれています。

しかし、価値で見ると90%以上を占めるともいわれています。

そしてそういう価値の高い『資産』はこれだけリサイクル・リユース市場が成長してきているにもかかわらず、まだそのほとんどが家庭内に滞留している、あるいは見えないところで「相続・譲渡」されています。

こういった『資産』をどれだけリユース・リサイクル業界が取り扱うことができるか、がこれからの企業の成長の差になり、業界全体の成長スピードを左右すると思います。

本当のお宝であるこの「資産」をどう扱っていくのか、買取や引取と同じではだめなことは明白です。では、どのようなポイントがあるのでしょうか。

一つ目のポイントはお客様へのアプローチです。

『資産』という大切なものを「お持ちいただき」「査定する」というプロセスに入るためには、「買取」「引取」と同様に「不要なものをお持ちください。高く買い取ります」というプロセスと異なるアプローチが必要なことはお分かりですよね。

それは「不要なもの」と一括りでは判定できないものだからです。

絵画や茶器や大きな宝石がついたジュエリーなどは使っていないという意味では不要なモノも多いかもしれません。しかしそういうモノをお持ちのお客様はそういう資産を「不用品」とは捉えていないことが多いです。

ではどのようなアプローチをすべきかとうと、

「大切にされてきたものをお持ちください。ご相談に乗ります」というアプローチが必要です。いきなり「買取」を前面に出さないこと!これが大切です。

お客様はいきなり換金したいのではなく、どれくらいの価値があり、それが今後どうなっていくのか、そして様々な状況を踏まえてどうしたら良いのか、こういったことを専門家に相談したうえでどうすべきかを考えたいのです。

これは、金融資産や不動産に例えるとわかりやすいですよね。

金融機関の専門のスタッフや不動産の専門家が、様々な資産の価値や相場、今後の見通しなどをお客様に提供しながら相談に乗るシーンと同じことが求めれられているのです。

単に買取ることと比べると、モノを手に入れるまでのプロセスが長いのとモノの査定だけではない専門性が必要になります。

これまでの接客と比べると、より企業努力やスタッフの勉強が必要かもしれません。

しかしその分これまで扱いたくても扱えなかった高額の商材を扱えるようになっていきます。

二つ目のポイントは、専門性についてです。

専門性は信用や信頼といったビジネス上の大きな価値とも直結します。

次回は、専門性について、「宝飾品」、「美術・工芸品」を題材にお話します。

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