買取業界で成功するための必須スキル|買取接客の秘訣【金相場編】

2023.08.29

買取業界とは切っても切れない関係の「金相場」。ここ1~2年、金相場が高騰しているので、金の買取をする機会が多いと思います。すでに買取業界でお仕事をされている方は、お客様とも金相場について話すことが多いのではないでしょうか。金相場について話をするときに、少しでもお客様に信頼していただけるよう、適切な情報提供をしたいですね。

今回は、買取業界と金相場の関係と、金の特徴や金相場の最新動向についてご紹介します。買取店で働く鑑定士や買取に興味のある、これから買取企業でお仕事をしてみたいという方にも参考にしていただけるかと思います。

過去最高の価格を更新

金相場は2023年8月29日に10,000円を突破して以降も高水準を続けています。ちなみに、過去最低価格は1998年の865円でした。

実は、金相場の高騰とともに、買取業界(リユース業界)も盛り上がってきた歴史があります。

2003年のイラク戦争、2008年のリーマンショックなど社会や経済が不安定な時期に、株などから安定資産といわれる金に投資マネーが流れます。その影響で金の価格が高騰するのです。金相場が高くなると金を売る人が増えます。買取事業者にとってはメリットです。そのため買取事業に新規参入する企業が増えていき、業界全体が活性化します。こうしたことから買取業界(リユース業界)は不景気に強い業態とも言われています。

金は実物資産!その特徴は?

金はいわゆる実物資産と言われています。「実物資産」は金融資産と違い、そのもの自体に価値があるのが大きな特徴です。

代表的なものとしては、土地、建物、といった不動産があります。その他、金やプラチナのような貴金属、絵画やワイン、ロレックスのような高級腕時計や、エルメスのバーキンなどがあります。

実物資産を持つメリットとは?

実物資産を持つメリットとはなんでしょうか。

金のメリットとしては以下の3点があげられます。

1.金融市場の不安定化に強い

2.有限な鉱物であるため無価値にならない

3.他の資産と比較して換金しやすい

1.金融市場の不安定化に強い

金融資産とは異なる価値を持っているため、金融市場の不安定化に強いことです。そのため、「有事の金」と言われるように、世の中の情勢が不安定な時には、金は金融資産の代わりによく買われるようになります。

金融市場が不安定化すると実物資産の安全性に注目が集まりやすくなるため、コロナ禍によって金融市場が不安定化した時には、金の価格が大きく上昇する局面がありました。金そのもの自体に価値があるので、 株や債券のように業績不振などの影響で価値がなくなるといったリスクは無いと言えます。

2.有限な鉱物であるため無価値にならない

金は世界中で流通しており、宝飾品から工業用品まで広く使われています。金は埋蔵量が決まっており、有限な鉱物であるため無価値になりません。

3.他の資産と比較して換金しやすい

金は世界共通で価値が認められており、他の資産と比較して換金しやすい利点もあります。

例えば欲しい不動産があったとしても、売りに出ていなければ買うことができません。売却したい場合でも、すぐに売りたい価格で売れるかどうかは、その不動産を欲しいと思う買い手がいるかに左右されます。その反面、金は国際市場が存在するので、いつでも売買することができます。

金相場は為替が影響する

金は通常、国際市場ではドル建てで取引されていますが、ドル以外の通貨が流通している国では、その国の通貨を基準にした価格が用いられます。そのため、日本の場合は円建ての金価格で取引されます。

円建ての金価格は、ドル建ての金価格とドル/円の為替レートによって決定されており、ドル建ての価格だけでなく、為替の影響を受けています。

円高になると円建ての金価格は下落、円安の局面では円建ての金価格は上昇する傾向にあります。実際に2013年、政府による経済政策(アベノミクス)の影響で円安・ドル高になることによって金の価格は大きく上昇しました。

コロナショック後、アメリカの急速な利上げを背景に世界景気の減速懸念から、外国為替市場で円安・ドル高が進行し、現在(2023年8月)、円建ての国内金価格が上昇しています。

信頼できる買取接客をするための金相場の知識

こんな細かい知識を一体どうやって買取の接客時に活用すればいいのか・・・と悩んでしまわれる方もいるかもしれません。自分の知識全てをお話する必要はありません。ただ、プロ性を演出するという観点が必要なのです。

お客様が持ち込まれた貴金属の査定をする際に
「ただ買取金額を伝える鑑定士」と、
「その金額になった根拠などをきちんと説明してくれる鑑定士」
だったらどちらがお客さまから信頼されると思いますか?

それは、やはりきちんと説明してくれる鑑定士ですよね。お客様としては、納得できる根拠や相場感をわかりやすく説明してくれる鑑定士に買取をお願いしたいと思うはずです。

「なぜ今、金相場が上がっているのか?」
「どんな時に下がるのか?」
「いつが売り時なのかどうか?」

といった情報もお客様と共有できれば、次回以降も「この鑑定士さんに相談したい!」と思っていただけるお客様が多いのではないでしょうか。ぜひ、参考にしてみてください。

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この記事を書いたのは、

リユース・買取業界専門の転職・スキルアップ支援の「Re:転職」
キャリアアドバイザー 山口桃子

前職であるジュエリー・ブランドのリユース・リフォーム事業を行う企業の人事部に転職。6年半、採用・教育担当として、新卒・中途の人材獲得から、研修の企画・運営、評価制度の構築・運営まで携わる。自社オリジナルのスキルマップを作成し、店舗スタッフの報酬制度及び育成システムとして社内に定着させた実績をもつ。また、百貨店店舗の店長も兼任し、現場目線での教育・マネジメントを実践。現在、株式会社AMBヒトラボを設立。代表取締役として、リサイクル・リユース業界を中心とした転職支援・スキルアップ支援に取り組む。

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